審美歯科のトラブルや失敗の治療法
審美歯科のトラブルや失敗について
審美歯科トラブル失敗の治療写真1

審美歯科とは、文字どおり歯を美しくするという意味ですが、本当の審美歯科の治療は、ただ単に歯をきれいにするだけでなく、歯と歯茎の健康も取り戻し、お口の中全体を健康で美しくするということです。

審美歯科は、近年の美容ブームもあり、行っている歯科医院が急増しました。

審美歯科トラブル失敗の治療写真2

しかし、その審美歯科治療の中で、本来の審美歯科の意味とは違って、ただ単に歯の見栄えをきれいにするという目的だけで、審美歯科治療を行ってしまい、後に歯や歯茎などに様々なトラブルや問題が起こってしまっている方々も少なくありません。

審美歯科のトラブルや失敗の実情

審美歯科の基本は、歯を漂白したり、虫歯を健康な歯にそっくりな白い歯に入れ換えたりすることです。

しかし、審美歯科でいくら歯を白くし歯並びを見た目だけきれいにしても、 審美歯科治療の後、時間と共に、歯茎が腫れたり、差し歯の周りの歯肉が黒く変色したり、根の病気が起こったりして、歯の寿命を短くしては、意味がありません。

審美歯科のトラブルや失敗には、下記のような場合があります。

神経を抜いた根の先に病気が出来る審美歯科のトラブルや失敗

歯並びを、歯科矯正以外の方法で、短期に治す方法として、歯を削って差し歯を被せる方法があります。

歯の生えている方向が曲っていると、歯を削ったときに、歯の神経が出てしまうので、神経も抜かなければならないのですが、神経の治療は以外と治療の難易度が高く、しっかり神経の治療をしないと、根の中が感染して、歯の根の先に膿ができてしまう場合があります。

こうなってしまうと、一度被せた差し歯を壊して、根の治療を再度やり治さなければなりません。また、そのまま放置すると、根の先の病気が大きくなり、抜歯になってしまうこともあります。

歯の根の治療についての詳細は、こちらをご覧ください。

差し歯の歯茎の周りが黒くなってしまう審美歯科のトラブルや失敗

差し歯を被せた後、差し歯の周りの歯茎が黒くなってしまうことがあります。

これは、差し歯の内側の金属に銀が含まれていると、銀のイオンが歯茎に溶けだしてしまうことによる原因や、根に立てた金属の心棒の銀イオンが根に染み出して、起こることが多いのですが、こうなってしまうと、一度被せた差し歯を壊して、再度新しい差し歯を作らなくては歯茎の色が治りません。

歯茎が黒い差し歯の治療法についての詳細は、こちらをご覧ください。

差し歯の歯茎が下がって、根が見えてしまう審美歯科のトラブルや失敗

差し歯を被せた後、差し歯の周りの歯茎が下がって、下の根が露出してしまうことがあります。

これは、上記の差し歯の内側の金属の銀イオンによる原因や、差し歯の噛み合わせが原因で起こることが多いのですが、こうなると、一度被せた差し歯を壊して、再度新しい差し歯を作らないと、露出した根を 完全に隠すことはできません。

差し歯の歯茎が腫れてしまう審美歯科のトラブルや失敗

差し歯を被せた後、差し歯の周りの歯茎が腫れてしまうことがあります。特にブリッジなど歯を抜いて審美歯科をした場合などに、ブリッジを支える ための土台の本数が十分でないと、ブリッジ全体が噛む力に耐えられず、土台の歯の周りが腫れることがよくあります。

これを専門用語では 『ブリッジの過重負担』 または咬合性外傷(こうごうせいがいしょう)と言い、この場合には、一度ブリッジを壊して、ブリッジを支えるための土台の本数が十分なもっと大きなブリッジを作る必要があります。

適切なブリッジの治療法についての詳細はこちらをご覧ください

咬合性外傷についての詳細はこちらをご覧ください。

差し歯が揺れてしまう審美歯科のトラブルや失敗

差し歯を被せた後、しばらくして差し歯自体が揺れてしまうことがあります。これは、差し歯の噛み合わせの問題、上記のブリッジの過重負担などが原因の場合によく起こります。

この場合にも、やはり、差し歯やブリッジなどを作りかえる必要があります。

差し歯で八重歯の短期矯正治療をした時の審美歯科のトラブルや失敗

八重歯を短期に治したいと思い、両方の八重歯を抜いてしまって、ブリッジの差し歯にする方がいます。

しかし、この方法は、よほどの事情がなければ、お薦めしません。

八重歯になっている糸切り歯は、歯の中で最も 太くて長い根をもっていて、お口の中で重要な役割を担っているのです。

この糸切り歯がなくなると、前歯と奥歯のバランスが崩れますので、ブリッジにしても、後々噛み合わせの面で、様々な問題が出てくる可能性が高いのです。

糸切り歯の役割(犬歯誘導)についての詳細は、こちらをご覧ください。

差し歯で受け口の短期矯正治療をした時の審美歯科のトラブルや失敗

特にひどい受け口の方の治療で多いのですが、受け口を短期に治そうとして、上下の前歯だけを、すべて差し歯にして、上の歯が下の歯を超えるように噛み合わせを作る方がいます。

しかし、全体的な噛み合せの治療をしていませんので、顎の噛み合わせ自体は、結局は受け口のままの噛み合わせで、前歯の見た目だけの治療です。

この場合、どうしても前歯に噛み合わせの不適切な力が掛りますので、後々噛み合わせの面で、様々な問題が出てくる可能性が高いのです。

噛み合わせについての詳細はこちらをご覧ください。

審美歯科トラブル失敗の治療例  (53歳女性)

数年前に審美歯科治療で差し歯をしたのですが、しばらくすると差し歯をした歯茎が黒くなってしまったので、どうにかしたいといらっしゃった方です。

非常にはっきりした黒い線が歯茎に現れていて、前歯のために恥ずかしくて、歯を見せて笑うことが出来ない状態でした。

また、写真の向って右側の差し歯も、歯茎が上に上がってしまい、差し歯と歯茎の堺が見えてしまっている状態でした。

3本の差し歯を確認したところ、差し歯の内側には、銀を含む合金が使用されていて、その銀イオンが歯茎と接するところから、歯茎へ溶け出して歯茎を黒くしている可能性が高い状態でした。

またレントゲンで確認したところ、歯の根の心棒には金属の心棒が使用されていて、その銀イオンが歯の根の象牙質の細管に入り込んで、根を変色させている可能性が高い状態でした。

お話を聞くと、右側の2本の差し歯も以前は歯茎が黒く変色していたそうですが、しばらくすると歯茎が上に上がって変色が無くなった変わりに、歯の根が見えてしまったそうです。

写真は、治療後の状態です。

3本の差し歯の土台を金属を使っていないファイバー樹脂の心棒に変え、差し歯も金属を使用していないジルコニアオールセラミッククラウンで作り直しました。

上記の処置をしたところ、歯茎の黒ずみは、だいぶ解消しましたが、長年歯茎が黒かったため、色素が歯茎に残っていて、完全には色が取れませんでした。

そこで、歯科用レーザーを使用して色素を取り除いたところ、歯茎の黒い色素がほぼ完全に取れ、きれいな歯茎に戻り、人前でも思いきり笑えるようになりました。

歯茎が黒い差し歯の治療法についての詳細は、こちらをご覧ください。

審美歯科トラブル失敗の治療例 (43歳女性)
審美歯科トラブル失敗例(全体)

非常に短期に、どんな歯並びも治すと広告している歯科医院で、前歯の受け口と歯並びの審美歯科治療をした方です。

向って右側の差し歯のブリッジの土台部分の歯茎が腫れて、いらっしゃいました。

レントゲン写真では、一見なんの問題もないように見えますが、実は審美歯科治療の様々な失敗がこのレントゲン写真から見てとれます。

審美歯科トラブル失敗例(拡大)

審美歯科治療をしたブリッジ部分のレントゲン写真です。

短気矯正治療のために、虫歯でも歯周病でもなかった健康な上顎の前歯1本、左右の上顎の糸切り歯2本、下顎の前歯2本、右下の奥歯1本の合計6本の健康な歯を抜いて、他の健康な歯もすべて神経を抜いて、繋がったブリッジの差し歯にしました。

しばらくは、調子が良かったそうですが、しばらくすると、差し歯の歯茎が腫れる、差し歯の周りの歯茎が黒くなる、差し歯の根が見えてくるなど、様々な問題が起こってきました。

審美歯科トラブル失敗例/前歯

最初は前歯のレントゲン写真の拡大です。

ブリッジの土台の3本の根が神経の治療をしてあるのですが、3本とも根の先に病気が写っています。(黒く抜けている部分です)特に向って左側の根の先には、巨大な病気が確認できます。

また、差し歯の周りの歯茎が黒くなっていました。

審美歯科トラブル失敗例/右上

次は右上顎の奥歯のレントゲン写真の拡大です。

2本抜いてしまった前歯と糸切り歯をブリッジの差し歯で補っていますが、一番右の奥歯が負担が強く、骨がだいぶ吸収(溶けて)しています。

また、右側の差し歯の部分は、歯茎が腫れ、歯茎が下がって、根が露出していました。

審美歯科トラブル失敗例(左下)

3枚目は左下顎のレントゲン写真の拡大です。

こちらのブリッジの土台の3本の根も神経の治療をしてあるのですが、左側2本の根の先に病気が写っています。(黒く抜けている部分です)

また、右側の根には、まだ病気が写っていませんが、根の治療が不十分なのが、はっきりわかります。

また、差し歯の周りの歯茎が黒くなっていました。

審美歯科トラブル失敗例/右下

最後は右下顎のレントゲン写真の拡大です。

こちらのブリッジの土台の3本の根も神経の治療をしてあるのですが、左右2本の根の先に病気が写っています。(黒く抜けている部分です)

また、中の1本の根には、まだ病気が写っていませんが、根の治療が不十分なのが、はっきりわかります。

また、差し歯の周りの歯茎が黒くなっていました。

様々な検査の結果、本格的な矯正治療歯の根の治療の専門医による根の再治療、ブリッジのやり治しなど根本的な再治療を行うことになりました。

審美歯科トラブル失敗の治療例  (47歳女性)
審美歯科失敗例(全体)

こちらの方も、非常に短期に、どんな歯並びも治すと広告している歯科医院で、前歯の受け口と歯並びの審美歯科治療をした方です。

審美歯科治療をしてから1年後に下顎の両側の奥歯が腫れて、いらっしゃいました。

レントゲン写真では、 奥歯の腫れた原因として、審美歯科治療をした前歯の上下の噛み合わせ関係が適切ではなく、奥歯に過度の噛み合わせの力が掛ってしまっている可能性が高いと思われました。

特に審美歯科治療で差し歯にした上下の糸切り歯(犬歯)の噛み合わせ関係が適切ではなく、全体の噛み合わせのバランスが崩れているようでした。

安定した噛み合せの基本(犬歯誘導)についての詳細はこちらをご覧ください。

噛み合わせについての詳細はこちらをご覧ください。

審美歯科トラブル失敗例(拡大)

審美歯科治療をした前歯のブリッジ部分のレントゲン写真です。

短気矯正治療のために、虫歯でも歯周病でもなかった健康な上顎の前歯3本、下顎の前歯2本の合計5本の健康な歯を抜いて、他の健康な4本の歯の神経を抜き、繋がったブリッジの差し歯にしました。

この方の場合には、前歯に特別な自覚症状はありませんでしたが、レントゲン写真からは、いくつかの問題が確認でき、将来何らかの症状が出てくる可能性も予測できました。

特に上顎のブリッジは、6本のブリッジを作るために3本の歯を抜いてしまったので、3本の土台で支えられていますが、ブリッジの基本から考えると、土台の数が足りません。

ですので将来ブリッジが過重負担で揺れてくる可能性が高いと思われました。

ブリッジの基本については、こちらをご覧ください

また、ブリッジの土台になっている神経を抜いた2本の歯については、神経の根の治療が不十分で、根の先に病気が出来ていました。

そして神経を残して被せた歯も、削った刺激の影響なのか、神経が死んでしまって、やはり根の先に病気が出来ていました。

審美歯科トラブル失敗例(上前歯)

これらの根の先の病気もブリッジの寿命を大幅に短くする可能性があると考えられました。

結局、この方は、下顎の両側の奥歯を抜き、上下の前歯を土台が十分で糸切り歯の噛み合わせも適切なブリッジに作り替えることになりました。

また、病気がある歯の根についても、顕微鏡で根の治療を行う根管治療専門医による根の再治療で完全な根の治療をすることになりました。

根管治療専門医についての詳細はこちらをご覧ください

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