歯科ドリル(タービン)を完全に滅菌消毒する機器
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歯科ドリル(タービン)の滅菌消毒について

近年、歯を削らない治療が普及してきましたが、やはり多くの歯科治療に歯を削るドリルは、ほぼ必要不可欠な機器です。

そして通常、一度患者さんに使用したドリルは、消毒機器で消毒滅菌して、また他の患者さんの治療に再使用しています。

しかし新聞で、日本の歯科医院の7割がドリルを簡単な消毒や洗浄をしただけで使い回しているという記事が新聞の一面で報道されるなど、ドリルの衛生状態に不安を持っている方もいらっしゃると思います。

一般的な歯科ドリル(タービン)の滅菌消毒の方法と問題点

通常、歯科医院で使用される金属製器具の滅菌消毒は、高圧蒸気滅菌という方法が推奨されています。

高圧蒸気滅菌とは、高い圧力の高温な蒸気によって細菌を滅菌消毒する方法です。

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ところが、他の治療器具と違って、歯科ドリルは、中に水と空気が通る穴がある複雑な形状になっているため、通常の高圧蒸気滅菌では、内部に汚染された空気や水が周りの高圧な蒸気によって、ドリルの中に閉じ込められてしまい、内部までの完全な滅菌は難しい状態でした。

歯科ドリルを完全に滅菌消毒する機器 『メラクイック』
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『メラクイック』は、医療機器分野で厳格な基準で製品を作り続けているドイツMELAG社製の歯科ドリル専用に開発された高圧蒸気滅菌器です

また、『メラクイック』は、世界的にも厳しいヨーロッパ規格EN13060に適合している滅菌性能クラスSタイプの高圧蒸気滅菌器です。

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『メラクイック』による歯科ドリル(タービン)の完全滅菌消毒
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一般的な高圧蒸気滅菌器が、単に高圧な蒸気によって滅菌消毒を行うのに比較して、『メラクイック』は、拡散加圧脱気方式と呼ばれる、加圧と脱気を繰り返す方法により、ドリルの中の汚染された空気や水を完全に除去して、高温な蒸気を内部まで浸透させ、ドリル全体を完全に滅菌消毒します。

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また、滅菌パックに入れたままで滅菌消毒が可能なため、消毒後にパックを開けるまでは、完全な滅菌状態が保持されます


自分専用の新品歯科ドリルの使用 『マイドリルシステム』

上記のように『メラクイック』を使用すれば、ほぼ完全な消毒滅菌が可能ですので、基本的には他の方からの歯周病菌や虫歯菌、ウイルスや細菌などの感染の危険はありません。

しかし、いくら完全に消毒滅菌していても、やはり他人の口の中に入って一度唾液や血液が付いた治療機器を、自分の口の中に入れられるのは嫌という方もいらっしゃいます。

そこで、そんな方のご要望に合わせて、当院ではご希望の方に自分専用の新品ドリルを使用する 『マイドリルシステム』 を取り入れています。

『マイドリルシステム』は、一度も使用されていない新品のドリルを、その方の治療のみに使用するシステムです。

初回の治療時に、新品のドリルに刻印を入れ、その刻印が入ったドリルは、その方の 毎回の治療後に完全に消毒滅菌されます。

そして次回の使用まで、そのドリルが他の方の口に入ることはなく、もちろん一連の 治療開始から終了時まで他人に使用されることもありませんので、より安心です。

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