次亜塩素酸電解除菌水の除菌洗浄作用についての化学的な解説
次亜塩素酸電解除菌水の抗菌洗浄作用についての化学的な解説
次亜塩素酸電解除菌水

次亜塩素酸電解除菌水は、20秒間うがいをすることにより、口の中の歯垢(プラーク)、歯周病菌、虫歯菌をほぼ完全に除菌洗浄することが出来る口腔洗口液です。

次亜塩素酸電解除菌水は、タンパク質で出来ている歯垢を分解除菌する事ができるため、次亜塩素酸電解除菌水でうがいをした後に歯磨きをすれば、簡単な歯磨きでも、歯垢をほぼ完全に除去することができます。

また、常在菌や身体への影響がほとんど無い状態で、歯周病菌や虫歯菌を破裂させて溶かす(溶菌)効果もあるため、お口の中の歯周病菌と虫歯菌も、ほぼ完全になくす事ができます。

次亜塩素酸電解除菌水の化学
次亜塩素酸電解除菌水殺菌効果詳細化学的説明

それでは、なぜ次亜塩素酸電解除菌水は、身体への影響がほとんど無い状態で、強力な除菌洗浄作用が可能なのでしょうか?

その事を理解するためには、次亜塩素酸電解除菌水の安全性と除菌洗浄力の基になっている、次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンなど、化学的な事柄の理解が必要です。

次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの違い

次亜塩素酸電解除菌水は、次亜塩素酸水というものに分類されます。

ちなみに、漂白剤のハイターは次亜塩素酸ナトリウムを主成分にしていますが、次亜塩素酸水ではありません。

次亜塩素酸水除菌水殺菌効果詳細説明厚生労働省マーク

しかし、次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは、元々同類なので、【次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの同類性に関する資料】という厚生労働省が発表している資料もあります。

そして、この資料の2ページ目の図2の右側には、下記のような記載があります。

『次亜塩素酸(HOCl)の殺菌力は次亜塩素酸イオン(OCl⁻)より約80倍高いといわれている』

『したがって、次亜塩素酸水は、次亜塩素酸の存在比率が高いため、次亜塩素酸ナトリウムよりも高い殺菌活性を示す』

厚生労働省次亜塩素酸水資料 次亜塩素酸水除菌水殺菌効果詳細説明厚生労働省資料

次亜塩素酸?次亜塩素酸イオン?って一体なに?
次亜塩素酸水除菌水殺菌効果詳細説明疑問

ところで、上記の資料の記載には、[次亜塩素酸]・[HOCl]・[次亜塩素酸イオン]・[OCl⁻]・[次亜塩素酸水]・[次亜塩素酸ナトリウム]・[存在比率]・[殺菌活性] 等々、短い文中に、同じような言葉、化学式、見慣れない用語などが沢山並んでいる、と感じた方も多いと思います。

でも、次亜塩素酸電解除菌水の除菌洗浄作用を化学的に理解するためには、これらの用語の理解が必要不可欠なので、ここからは、文中に出てきた用語を順を追って、理解して行きましょう。

次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンについての基礎知識

まず最初は『次亜塩素酸(HOCl)の殺菌力は次亜塩素酸イオン(OCl⁻)より約80倍高いといわれている』

の文中に出てくる[次亜塩素酸][次亜塩素酸イオン]という用語についてです。

次亜塩素酸の化学式は=HOCl(エイチオーシーエル)、またはHCLO(エイチシーエルオー)

次亜塩素酸イオンの化学式は=OCl⁻(オーシーエルマイナス)です。

次亜塩素酸水除菌水殺菌効果詳細説明化学式

次亜塩素酸(HOCl)と次亜塩素酸イオン(OCl⁻)は、食塩(NaCl)や塩酸を水に溶かして電気分解する事により生成されるもので、食品衛生法で作り方が指導されています。

また、次亜塩素酸(HOCl)と次亜塩素酸イオン(OCl⁻)が生成される割合は、生成する時の水素イオン(H⁺)濃度(pH)と温度で決まります。

次亜塩素酸水除菌水殺菌効果詳細説明白血球

次亜塩素酸は、人体で免疫細胞として働く白血球が、殺菌する過程で産生するもので、白血球の細胞成分と同じ生体免疫由来の殺菌成分です。

したがって次亜塩素酸は、人体への影響がほとんどなく、安全で、なおかつ耐性菌を作らないという特徴があります。

また、次亜塩素酸イオンにも殺菌作用がありますが、特にタンパク質など、有機物の分解洗浄作用が高いのが特徴です。

*注:次亜塩素酸水として市販されている物の中には、本来の次亜塩素酸水とは異なった作り方をしている物があり、物の殺菌洗浄には使えるものの、うがい、手洗いでの使用や、噴霧によって吸引する事により、人体への悪影響が懸念される製品も存在するため、使用には注意が必要です。

次亜塩素酸水の殺菌効果と安全性 新型コロナウイルス殺菌消毒次亜塩素酸水安全性

次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンの比率が殺菌力の決め手
次亜塩素酸水除菌水殺菌効果詳細説明殺菌力

次に『したがって、次亜塩素酸水は、次亜塩素酸の存在比率が高いため、次亜塩素酸ナトリウムよりも高い殺菌活性を示す』

の文中に出てくる、[次亜塩素酸水]・[次亜塩素酸ナトリウム]・[次亜塩素酸の存在比率]・[殺菌活性]の用語について理解していきましょう。

ところで、なぜ『次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムに関する資料』なのに、次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンについての内容が先で、次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの内容が後になるのでしょうか?

実は、次亜塩素酸水、そして次亜塩素酸ナトリウムの殺菌力の違いは、それぞれの溶液の中に、次亜塩素酸(HOCl)と次亜塩素酸イオン(OCl-)がどれくらいの比率で含まれているかの違いなのです。

つまり、それが次亜塩素酸の存在比率、言い換えれば、次亜塩素酸(HOCl)と次亜塩素酸イオン(OCl-)の含まれている割合というわけで、次亜塩素酸(HOCl)の割合が高い方が、殺菌活性が高い、すなわち殺菌力が高いのです。

次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンの比率を左右するもの

次亜塩素酸(HOCl)と次亜塩素酸イオン(OCl⁻)の比率を左右するのは、前記したとおり、生成する時の水素イオン濃度(pH)です。

次亜塩素酸水除菌水殺菌効果詳細説明図1

上の図は、次亜塩素酸(HOCl)と次亜塩素酸イオン(OCl⁻)の存在比率とpHの関係を示したものです。

次亜塩素酸(HOCl)の存在比率は、酸性になると高くなり、アルカリ性になると低くなるのがわかります。

ちなみに、人体に悪影響があるとされる次亜塩素酸ナトリウム水溶液はpH12以上で、次亜塩素酸イオン(OCl⁻)100%の存在比率ですが、次亜塩素酸イオン(OCl⁻)ではなく、ハイター等の製品として次亜塩素酸イオン(OCl⁻)の安定化のために使われる水酸化ナトリウム(NaOH)(苛性ソーダ)等の劇薬成分が問題です。

次亜塩素酸電解除菌水の次亜塩素酸(HOCl)の存在比率
次亜塩素酸水除菌水効果詳細説明比率

ここまでで、[次亜塩素酸(HOCl)]・[次亜塩素酸イオン(OCl⁻)]・[次亜塩素酸水]・[次亜塩素酸ナトリウム]のそれぞれの関係が、なんとなく理解できたと思います。

それでは、次亜塩素酸電解除菌水の次亜塩素酸(HOCl)の存在比率は、どのくらいなのでしょう?

次亜塩素酸水除菌水殺菌効果詳細説明図2

この図は、次亜塩素酸電解除菌水の、次亜塩素酸(HOCl)と次亜塩素酸イオン(OCl⁻)の存在比率と、pHの関係を示したものです。

次亜塩素酸電解除菌水はpH9なので、使用前の段階では、次亜塩素酸(HOCl)の存在比率が低く、次亜塩素酸イオン(OCl⁻)の存在比率が高い状態です。

次亜塩素酸除菌水殺菌効果詳細説明うがい

ところが、お口の中でうがいをすると、次亜塩素酸イオン(OCl⁻)が、歯垢などのタンパク質を分解して消化されるため、次亜塩素酸イオン(OCl⁻)の存在比率が下がると共にpHも下がり、次亜塩素酸(HOCl)の存在比率が上がります。

つまり、この次亜塩素酸(HOCl)と次亜塩素酸イオン(OCl⁻)の存在比率の変化によって、次亜塩素酸電解除菌水は20秒のうがいをしている間に、次亜塩素酸イオン(OCl⁻)によって、タンパク汚れである歯垢を分解洗浄し、その後、次亜塩素酸(HOCl)によって、歯周病菌と虫歯菌をほぼ完全に除菌する事ができるわけです。

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参考文献:【福崎智司著】次亜塩素酸の科学ー基礎と応用ー次亜塩素酸水除菌水殺菌効果詳細説明参考文献