下がった歯茎を戻す治療法/歯茎を上げる治療法(歯肉改善療法)
下がった歯茎を戻す治療法
下がった歯茎を戻す治療/歯茎を上げる治療写真1

歯槽膿漏、歯周病が進むと、歯を支えている歯槽骨が少なくなりますので、その上にある歯茎もいっしょに下がってきます。

また、歯周病でなくても、加齢によって歯茎は下がりますので、歯と歯の間の歯茎に隙間が出てきます。

特に歯周病で歯茎が腫れていた方が、歯周病治療などをすると、今まで腫れて膨らんでいた歯茎が、締まって正常な状態になりますので、歯茎が歯槽骨があるところまで下がって歯と歯の間の歯茎に大きな隙間が出来てしまい、ショックを受ける方も大勢います。

そんな時、今までは歯茎を元に戻す効果的な方法が無く、歯周病が治っただけで良しとしていたのですが、近年、元々体内にある成分のヒアルロン酸によって、下がった歯茎を戻す方法が開発され、効果が出ています。

さらに、この治療法は、矯正治療後の歯茎の下がりにも効果が期待できます。

下がった歯茎の治療法(動画)
患者さんの『歯茎が治った』と歯科の『歯茎が治った』は違う
下がった歯茎を戻す治療/歯茎を上げる治療写真2

右の写真は、歯周病の治療を受けて、歯茎が改善した方のお口の状態です。

歯科医師の目線で見ると、この方の歯茎には出血や腫れなどの炎症はなく、歯周ポケットも正常な深さになり、歯周病はほぼ完治したと言えます。

ところが、患者さんの目線で見ると、この状態は完治とは言えないかもしれません。

下がった歯茎を戻す治療/歯茎を上げる治療写真3

というのも、大多数の方々が考える良い歯茎の状態というのは、出血や腫れが無いのはもちろんですが、それに加えて、左の写真のように、歯茎が下がっていなくて、歯と歯茎の間に隙間が無い状態だからです。

そして、歯と歯茎の間に隙間ができると、専門用語でブラックトライアングルと呼ばれる三角形に黒く抜けた部分が出来るため、前歯の見栄えも著しく悪くなってしまいます。

下がった歯茎を戻す歯科用ヒアルロン酸 ピュアデント
下がった歯茎を戻す治療/歯茎を上げる治療顕微鏡

ヒアルロン酸は、元々人間が持っている成分で、皮膚などにあるムコ多糖類と呼ばれるゼリー状の保湿性と弾力性のある成分です。

通常、ヒアルロン酸は美容皮膚科などで、シワを目立たせなくするためなどに使用されていますが、元々体内に存在する成分なので、安全性が高いのが特徴です。

下がった歯茎を戻す治療/歯茎を上げる治療ピュアデント

歯科用ヒアルロン酸ピュアデントは、ドイツで開発された歯科専用のヒアルロン酸です。

下がった歯茎を戻す治療/歯茎を上げる治療構造

中でも、より弾力性がある架橋ヒアルロン酸を使用しているピュアデントBGは、歯と歯の間の歯肉(歯間乳頭)が下がった部分の改善や、インプラント手術後のインプラントと歯茎の隙間の改善などに高い効果があります。

下がった歯茎を戻す歯科用ヒアルロン酸の特徴

歯槽膿漏、歯周病での歯周病治療、加齢などで下がってしまった歯と歯の間の歯肉(歯間乳頭)の改善をさせる歯科用ヒアルロン酸には、いくつかの特徴があります。

安全性が高い。

ヒアルロン酸は、元々体内にある成分で、アレルギーなどの心配がほとんどありませんので、アレルギーテストなどの事前検査の必要がありません。

また、歯科用ヒアルロン酸ピュアデントは、動物から作られたヒアルロン酸ではなく、人間が持っているヒアルロン酸と同じ非動物性の天然物質から作られていますので安全です。

処置が痛くない。

歯科用ヒアルロン酸を歯茎に注入する際には、事前に麻酔を行いますので、痛みはほとんど感じません。

処置後、赤みや腫れが出にくい。

歯科用ヒアルロン酸を歯茎に注入した後は、赤みや腫れなどの症状が出ることは少なく、また、そのような症状が出た場合でも、ほとんどの場合、すぐに改善します。(個人差があります。)

下がった歯茎を戻す歯科用ヒアルロン酸の注意点

下がった歯茎を元に戻す歯科用ヒアルロン酸には、いくつかの注意点があります。

歯茎の状態が良くないと使用できません。

歯科用ヒアルロン酸は、健康な歯茎への使用を前提としていますので、使用するには、歯茎の腫れや出血が無く、歯周ポケットが正常な深さの方が対象になります。

(歯茎が下がっていても、歯周ポケットが2~3mmと浅く、歯茎の腫れや出血がなければ、歯茎は概ね健康な状態です。)

ですので、上記以外の歯槽膿漏、歯周病の方は、歯科用ヒアルロン酸を使用する前に、各種歯周病治療が必要になる場合があります。

歯茎が完全に戻らない場合もあります。

歯茎の下がっている量が著しい、歯茎自体の厚さが薄いなどの個人差によって、歯茎の戻る程度が変わりますので、歯科用ヒアルロン酸を注入しても、歯と歯の間の隙間が完全に埋まらないなどの個人差が出る場合もあります。

効果は永久ではありません。

ヒアルロン酸は、最終的には体内に吸収されてしまいますので、効果は永続的ではありません。歯と歯の間の歯肉の隙間(ブラックトライアングル)などが気になってきたら、再度注入が必要な場合もあります。

歯周病や知覚過敏の改善効果はありません。

ヒアルロン酸治療は、審美を目的とした治療ですので、歯周病や知覚過敏の改善効果はあまりありません。歯周病や知覚過敏の改善がご希望の場合には、下記の歯周病治療・知覚過敏治療の各ページをご参照ください。

歯周病・歯槽膿漏の治療法 下がった歯茎を戻す治療/歯茎を上げる治療歯周病歯槽膿漏治療詳細

知覚過敏の治療法 下がった歯茎を戻す治療/歯茎を上げる治療知覚過敏治療詳細

下がった歯茎を戻す歯科用ヒアルロン酸治療の手順

歯科用ヒアルロン酸を歯茎に注入する治療法は、1回の治療で2段階に分けてヒアルロン酸を歯肉に注入し、その処置を3週間おきに、3回以上繰り返します。

下がった歯茎を戻す治療/歯茎を上げる治療図2

1)歯茎を麻酔した後に、歯茎の中ほどより歯に近い部分に、ヒアルロン酸を注入します。

下がった歯茎を戻す治療/歯茎を上げる治療図3

2) 次に歯と歯の間の歯肉(歯間乳頭)にヒアルロン酸を注入します。

下がった歯茎を戻す治療/歯茎を上げる治療図4

効果は、3回目以降の注入後、徐々に出てきますが、完全に歯と歯の間の歯肉が埋まるのには、数週間から数ヶ月かかる場合もあります。また個人差によって、追加の注入が必要な場合や、完全に歯茎が埋まらない場合もあります。

また、歯茎の状態を維持するためには、歯周病菌と虫歯菌をほぼ除菌する次亜塩素酸電解除菌水等での毎日のケアと、3ヶ月に1回程度の歯と歯茎のクリーニングが必要です。

歯茎下がり予防と維持するためのケア 次亜塩素酸電解除菌水
次亜塩素酸電解除菌水

歯茎下がりを予防して、歯茎の状態を維持するためには、お口の中の歯周病菌や虫歯菌を少なくして、清潔な状態を保つ事が大切です。

ただ、虫歯菌も歯周病菌も歯科医院でのクリーニングや、今までの市販のマウスウオッシュでは、細胞レベルでの完全な除菌は出来ませんでした。

しかし、次亜塩素酸電解除菌水は、毎日20秒間うがいをすることで、口の中の虫歯菌や歯周病菌を、ほぼ除菌し、歯垢も分解除菌洗浄することが出来ることから、治療後も比較的簡単に良い状態を保つことができるようになりました。

次亜塩素酸電解除菌水は、強い除菌力に反して、体への影響はほとんどなく、虫歯予防、歯周病治療の全く新しい治療法として、今、注目されています。

ヒアルロン酸以外の歯茎を戻す治療法

歯科用ヒアルロン酸は適応症があるため、適応でない場合もあり、治療にも時間がかかります。

人工歯茎治療前

そのため、ヒアルロン酸が不適応な場合・短期間で歯茎の見栄えを改善したい時などには、取り外しの人口の歯茎によって、歯や歯茎の見栄えを改善する治療法もあります。人工の歯茎は唾液と歯の隙間によって歯茎に固定されるため、自然に外れることはほとんどありません。

人工歯茎治療後

また歯茎が下がって、歯と歯の隙間から息が漏れてしまい、発音に影響が出ている時にも効果的です。

下がった歯茎を戻す治療例(46歳女性)

他院で歯周病治療のために、前歯の歯茎を手術した方です

下がった歯茎を戻す治療/歯茎を上げる治療前1

歯茎の状態は、出血や腫れもなく、良い状態になりましたが、歯茎が締まって正常な位置になったため、歯と歯の間の歯肉が下がって、見栄えが悪くなってしまい、歯茎を元の状態に戻せないかと来院されました。

そこで、下がった歯茎を戻すために、歯科用ヒアルロン酸を使用することにしました。

下がった歯茎を戻す治療/歯茎を上げる治療後1

右の写真は、歯科用ヒアルロン酸を3回注入して、3週間後の写真です。

歯と歯の間の歯肉が上がって隙間が埋まり、歯茎の見た目も健康になりました。

下がった歯茎を戻す治療例(38歳女性)
下がった歯茎を戻す治療/歯茎を上げる治療前2

35歳を超える頃から、徐々に歯茎が下がり始め、歯と歯の間に隙間が出来始めてしまったので、元に戻す方法はないかと来院された方です。

写真ではわかりにくいのですが、真ん中の歯茎だけでなく、向かって左側の歯茎も下がっていて、黒い隙間が見えます。

下がった歯茎を戻す治療/歯茎を上げる治療後2

そこで、下がった歯茎を戻すために、歯科用ヒアルロン酸を歯茎に注入することにしました。

右の写真は、歯科用ヒアルロン酸を3回注入して、4週間後の写真ですが、歯と歯の間の歯肉が上がって隙間が埋まり、若い頃のような健康に見える歯茎になりました。

また、向かって左側の歯茎も上がって、元のように戻りました。

下がった歯茎を戻す治療例(51歳女性

若いころから歯には自信があり、いつも欠かさず行く歯科医院での定期健診でも、歯も歯茎もとても良い状態と言われていた方です。

下がった歯茎を戻す治療/歯茎を上げる治療前3

この方は、50歳を過ぎた途端に歯と歯の間にすきまが出来始め、あわてていつもの歯科医院へ受診したところ、先生からは 『歯茎が下がるのは年齢が上がれば仕方のないことで、歯周ポケットが無い健康な歯茎なので、心配はない』と言われたそうです。

しかし、今まで自信があった歯茎が下がってしまい、歯と歯の間に隙間が出来たことがとてもショックで、元のような歯茎の状態に戻す方法はないものかと、来院されました。

下がった歯茎を戻す治療/歯茎を上げる治療後3

歯茎は、定期健診に通っている先生が言っているように、良い状態でしたので、下がった歯茎を戻すために、歯科用ヒアルロン酸を歯茎に注入してみることにしました。 右の写真は、歯科用ヒアルロン酸を4回注入して、3週間後の写真です。

歯と歯の間の歯肉が上がって隙間が埋まり、元のように隙間がない健康に見える歯茎になりました。

費用と注意事項 下がった歯茎を戻す治療費用詳細

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