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以前までは、矯正歯科治療は子供が行う治療という概念がありました。 しかし現在では、一定の条件が揃えばかなりの年齢になっても矯正歯科治療が出来るようになりました。 また、ただ単に歯並びを治すためだけに、矯正歯科治療をするのではなく、被せ物を作るときに、歯の方向をそろえて被せ物を作ると、自然感が増し、より綺麗に出来るため、矯正歯科治療を併用することもあります。 矯正歯科治療は、診断に始まり、診断に終わると言われています。 つまり事前の診断と計画が一番大切ということです。 歯を動かすことは意外に簡単で、ある程度のところまでなら、どんな歯科医でも出来ます。しかし矯正歯科治療は歯並びを良くするだけでなく、噛み合わせを作らなければならないので、ただ闇雲に歯を並べるだけでは、うまく行きません。 また抜歯して矯正治療を行う場合、診断を立てないで歯を抜いてしまうと、最終的に噛み合わせをまったく作れなくなってしまうこともあります。 矯正歯科治療の最終段階である噛み合わせを作るのは、とても難しいので、矯正歯科認定医と呼ばれる何年も矯正歯科治療の勉強とトレーニングを積んだ歯科医にしか、出来ないのが現状です。 また最近は、スピードブラケットと呼ばれる歯に付ける特殊な金属金具を使うことによって、矯正歯科治療の掛かる時間を短縮する方法や、針金を使わず透明なマウスピースを患者さん自身が付けはずしして矯正をするマウスピース矯正治療法なども一般的になってきています。 ご存知のように、ほとんどの矯正歯科治療の場合、矯正治療中は、お口の中に針金や多くの矯正歯科装置が入りますので、歯磨きが難しくなります。 このため、矯正治療をされた患者さんの中には、矯正治療期間中に、虫歯を作ってしまう方も少なくありませんでした。 従来であれば、矯正治療中の虫歯や歯周病予防は、歯磨きを念入りに行う程度しか対策がなかったのですが、最近、矯正治療前にストリークというプラズマレーザーで歯質強化をして、虫歯になりにくい歯質にしてから矯正を始める方が増えてきて、効果が出ています。 プラズマレーザー治療機器『ストリーク』は、高出力レーザーと特殊な酸化チタン溶液により高温のプラズマ光球体を作り出し、その熱エネルギーによって歯の耐酸性を上げて歯の表面のエナメル質とその内部の象牙質を強化することができる最新の治療機器です。 高温のプラズマと聞くとちょっと怖いイメージですが、酸化チタン溶液と水の冷却効果によって、患者さんは麻酔をしなくても、ほとんど痛みを感じることはなく、どなたでも治療が受けられる患者さんに優しい安全な治療です。 また、ストリークには組織を活性化させる効果があるため、矯正治療中の痛みを緩和する効果や、歯の移動を促進させる効果もあります。 矯正治療中はお口の衛生状態を良い状態に保つのが難しいため、虫歯以外に歯周病にも注意が必要です。 次亜塩素酸電解除菌水は、お口の中の虫歯菌や歯槽膿漏・歯周病菌、そして歯垢を、毎日20秒間うがいすることにより、ほぼ分解除菌洗浄することが出来る口腔洗口液です。 強い除菌力に反して、体への影響はほとんどなく、虫歯予防、歯槽膿漏、歯周病治療の全く新しい治療法として、今、注目されています。 矯正治療中に次亜塩素酸電解除菌水で毎日うがいをすることで、虫歯はもちろん、歯周病にも効果的な予防になります。 ヒールオゾン治療は、オゾンの高い殺菌力を利用して、虫歯菌の殺菌を行う治療で、ドイツを中心にヨーロッパ諸国やアメリカで広く行われている治療方法です。 上記の次亜塩素酸電解除菌水に加えて、ヒールオゾン治療で、マウスピースを使用した予防を行えば、矯正治療中の虫歯や歯周病予防に高い効果が期待出来ます。 また、矯正治療中に出来てしまった初期虫歯も、ヒールオゾン治療を行った後、歯の構成成分であるカルシウムとリンのミネラルを豊富に含むMIペーストというミネラルペーストを使用すると、象牙質の再石灰化が促進し、歯を削らなくても、虫歯の自然治癒が可能です。 さらにMIペーストは、矯正装置を外した後に、歯に白い抜けが出来てしまうホワイトスポットの予防にも効果があり、装置を付けたことによって、歯の表面が荒れてしまったエナメル質の艶を改善する効果もあります。 矯正治療では、その歯を動かすメカニズムの関係で、矯正治療終了後に、歯茎が下がってしまうことが少なくありません。 つまり、せっかく歯並びは良くなったのに、歯茎に隙間が出来てしまった方も少なくないのが現状なのです。 そんな時、今までは歯茎を元に戻す効果的な方法が無く、差し歯を大きく作るなどの不自然な方法で歯茎の隙間を埋めるような治療が行われてきました。 しかし近年、元々体内にある成分のヒアルロン酸によって、下がった歯茎を戻す方法が開発され、ある程度の効果が出ています。 矯正治療前 前歯の歯並びを治したいといらした方です。 診査の結果、全体の噛み合わせに歪みがあり、顎関節症の症状も多少出ていたので、全顎矯正を行って、前歯の歯並びと奥歯の噛み合わせを改善することにしました。 矯正治療後 2年後に矯正歯科治療が終了し、針金を外した状態です。 前歯の歯並びがとても良くなり、全体の噛み合わせも理想的な状態になりました。 顎関節症の症状も無くなりました。 この後、歯並びを落ち着かせるためにリテーナーと呼ばれる入れ歯のような装置(患者さんがはめたり取ったり出来ます)を1年入れることになります。 また、矯正治療中は次亜塩素酸電解除菌水を使用していただくことで、お口の中に虫歯菌と歯周病菌が居ない状態を保つことによって、虫歯と歯周病の予防をしました。 治療前
矯正をご希望でいらした方です。お仕事柄、矯正の針金が見えるのは困るとのことでした。 診査の結果、マウスピース(クリアアライナー)矯正治療の適応症でしたので、 マウスピース矯正治療をすることにしました。 また、矯正治療中は次亜塩素酸電解除菌水を使用していただくことで、お口の中に虫歯菌と歯周病菌が居ない状態を保つことによって、 虫歯と歯周病の予防をしました。 治療後
治療後の状態です。 診査の結果、マウスピース(クリアアライナー)矯正治療の適応症でしたので、 マウスピース矯正治療をすることにしました。 患者さんが良くマウスピースをつけてくださったので、歯がわりあいスムーズに動きました。 |
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